社長の金庫番

中小企業診断士の資格を持つ経営コンサルタントMがお金にまつわる知識や情報を発信していきます

法人口座の開設方法(その4)

 こんにちは。中小企業診断士Mです。

 

 金融機関の審査ポイントについて、今回は三つ目の「代表者の経歴」です。

 

 「企業は社長の器以上に大きくならない」とよく言われますが、特に中小企業の場合は、社長がすべてです。代表者がどのような人物なのか、どのような経歴の持ち主なのか、を金融機関は見ています。

 

1. 謝絶される可能性があるケース 

 では、謝絶となりうる事例には、どのような事例があるのでしょうか? 例えば、次のようなケースです。

 

  • 態度・風貌が怪しい。
  • 金融機関の窓口職員に対して高圧的態度を取る。
  • 代表者にもかかわらず、事業内容等を説明できない。
  • 代表者が喋らず、同席者が説明する。
  • 代表者の経歴・実績が不詳。ネットで検索できない(外国人や若年層にこのようなケースが多い)。
  • 過去の経歴・実績と事業実態・事業内容が結びつかない、脈略がない。
  • 代表者とは違う株主が存在し、誰が実質的支配者なのか判断できない。

 

2. 審査が通りやすいケース

 一方で、審査が通りやすいのは、次のようなケースです。

 

  • 過去の経歴・実績が明確。つまり、素性のわかる人物である。

  (例)有名企業に勤務していた

     著書がある

     国家資格を保有

     受賞歴がある

     インタビュー記事がある

     雑誌で採り上げられた

     ブログを書いている(→主義・主張がわかる)

     YouTubeで発信している

  • 過去の経歴・実績が事業内容に結ぶついている。だから、経営能力ありと判断できる。
  • 個人事業主としての実績があり、事業拡大に伴い、法人成りした。
  • 申込金融機関に、既に個人口座(含む個人事業主)を保有しており、口座が動いている。口座の動きにも不審点がない。

 

3. まとめ

 4回にわたって、法人口座の開設方法について書いてきました。金融機関が審査に厳しいのは事実ですが、真っ当に事業を経営しているのなら、テクニックに拘泥するよりも、正攻法で金融機関に臨むのが近道だと思います。つまり、

 

  • 事業内容と代表者の経歴がわかるエビデンスを提示して、健全な法人であることを説明する。
  • できれば、個人口座を保有している金融機関に申込むのが望ましい。

 

  但し、繰り返しになりますが、反社会的勢力と無関係であることが大前提です(下の過去ブログをご参照ください)。反社会的勢力は、代表者自身が気づかないように、言葉巧みに忍び寄ってきます。関係当事者に対してアンテナを高くして、違和感を察知するよう日頃から心掛けるのが肝要です。

kinkoban.hatenablog.com

 

                      以 上