こんにちは。中小企業診断士Mです。
金融機関の審査ポイントについて、今回は二つ目の「事業実態の確認」です。ここが審査の最大の山場となります。事業実態が備わった健全な法人なのかどうかを見極めるプロセスとなります。
金融機関は、事業実態を見極めるために、各種書類の提出を要求します。金融機関内部で稟議が必要となるため、書類なしに口頭で説明してもダメです。部下が上司から承認をもらうためには、書類が必要なのです。それが金融機関の文化です。面倒でも、求められれば、素直に資料を提出した方が審査がスムースになります。金融機関からの質問には整斉と答えましょう。
1. 金融機関への提出書類
金融機関あるいは職員の裁量によって、求められる提出書類はケースバイケースですが、必須書類と任意書類があります。
(1) 必須書類の例
(2) 任意書類の例
- 決算報告書(設立から1期以上を経過した法人の場合)
- 確定申告書(個人事業主から法人成りした場合)
- 事務所の賃貸借契約書
- 取引実態が確認できる契約書、請求書、領収書、見積書
- 他行通帳のコピー
- 定款・規約等
- 会社案内、パンフレット
- 閉鎖事項全部証明書(法人住所を変更していた場合)
このうち、決算報告書や確定申告書は、事業実態を疎明する上で最強のエビデンスとなりますので、提出した方が良いでしょう。
2. 法人口座開設が謝絶となりうる事例
次に法人口座開設が謝絶となりうる事例をご紹介します。これらの事例に該当すれば必ずしも謝絶されるわけではありませんが、整合的に、矛盾なく説明できなければ、金融機関に謝絶される可能性があります。
- 代表者にもかかわらず事業内容を説明できない。代表者が喋らず、同席者が説明。
- 本社所在地が金融機関の支店所在地から遠い。
- バーチャル・レンタルオフィスでは成り立たない業種である(例:運送業、物流業、商社等)。
- 履歴事項全部証明書に記載されている事業目的が多く、本業が明確でない。相互に関連性もない。
- 本業に必要な届出・許認可が未取得。
- 販売先・仕入先が決まっていない。
- 事業内容に比べて資本金額が小さい。
- 商号・住所・目的・役員に変更がある。
- 代表者が外国人で、在留資格が「経営管理」「永住者に準ずる」以外。
- 法人格が、合同会社、一般社団法人、NPO法人。
- 休眠会社だった。
以 上