こんにちは。中小企業診断士Mです。
前回ブログでは、なぜ金融機関は法人口座開設の審査が厳しいのか、ご説明しました。
今回からは、法人口座開設にあたって金融機関が審査する着眼点について、ご説明したいと思います。金融機関の審査ポイントは、次の3つです。一つ目は反社会的勢力のチェック、二つ目は事業実態の確認、三つ目は代表者の経歴、です。
今回は、反社会的勢力のチェックを採り上げます。金融機関は真っ先に反社会的勢力のチェックを行います。そしてチェックに引っ掛かった場合、口座開設を謝絶します。問答無用です。謝絶理由も答えてくれません。
1. 反社会的勢力とは
反社会的勢力について社会的に統一された定義はありませんが、一般的には、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」と定義できます。具体例としては、暴力団、総会屋、エセ同和行為を行う団体・人物、エセ右翼行為を行う団体・人物、ヤミ金融、紙幣・クレジットカード等の偽造集団、組織的詐欺集団、マルチ商法、ねずみ講、等々が該当します。
各金融機関は、これらの反社会的勢力に関する情報を独自のデータベースで保有しており、都度チェックしています。
これらの反社会的勢力は、それに関する情報の質・精度によって、たとえて言うならば(金融機関によって呼称は様々でしょうが)、「ブラック」と「グレー」とに分類されます。「ブラック」とは、反社会的勢力に間違いないと認定される先です。「グレー」とは、反社会的勢力とは断定できないが怪しい先、あるいは、反社会的勢力との関連はあるが関係の薄い先、です。
「ブラック」に該当すれば、確実に口座開設は謝絶されます。「グレー」でも、金融機関は保守的な社風なので、まず謝絶されます。
2. 反社会的勢力のチェック範囲
反社会的勢力のチェックは、多岐にわたります。法人名、代表者、来店者(通常は代表者が来店)は当然のこと、その他にも、出来る限り周辺をチェックしています。
具体的には、代表者以外の役員、監査役、代表者以外の株主、関連会社、保証人、担保提供者、税理士、仕入先・販売先、貸付先、借入先、出資先、配偶者・親族、等々です。
反社会的勢力、あるいはそれと関係のある先と取引してしまった場合のリスクが計り知れないため、金融機関は世間が想像している以上にチェックをしているのです。
以 上